今日はとっても地元に愛される中華の食堂、ぱんだ食堂さんにお邪魔しています。定食からラーメン、チャーハンと多くのメニューが並ぶこちらのお店ですが、なんと店主お一人でメイン調理を担当していらっしゃいます。今日は店主の若林さんにお話を伺います。よろしくお願いします。
若林よろしくお願いします。
まずは、お客様によく選ばれているイチ押しメニューを伺いたいと思います。
若林イチ押しは麻婆チャーハンです。ほんとに沢山のお客様が頼まれますね。他に定食で言うと、レバニラ定食ときくらげ卵炒め定食がオススメですかね。
麻婆チャーハンは、白チャーハンに麻婆豆腐がかかっている評判のメニューですよね。多くの方が「ぱんだ食堂に来たらこれを食べるぞ」という風に決めていると聞いてます。
若林まあ、パンダなんで。白チャーハンと黒っぽい麻婆豆腐で、何となくパンダっぽいでしょ。
ああ、パンダに掛けてるんですね!なるほど。
実際に私も何度か食べましたけれど、とても美味しいですよね。
お客様にどんなところが好まれてますか。
若林よく言われるのが、「やっぱチャーハン美味しいね」って。白チャーハンがそもそも人気なんです。結構オーダーが入る。
それから麻婆豆腐。今流行ってる、 痺れがきつい麻婆豆腐じゃなくて、みんなに食べてもらえるように山椒の風味はちょっと抑え目にしてあるの。
麻婆チャーハンはオープン当初からのメニューなんですか。
若林オープンしてしばらくしてからですね。いつの間にか看板メニューに育っていったっていう感じですよ。
最初はお客様の要望からです。昔、満腹食堂っていう食堂があって、そこが麻婆チャーハンをやってたんだけど、そこのおじいちゃん店主がやめちゃって。
それでお客さんが「麻婆チャーハン食いてえんだよ。ここやってくれ」って言うから、「じゃあ作ります」ってね。それで試しに作って、『今月のオススメ』みたいな感じでやりはじめた。
うんうん。
若林で、試してみたら、意外と売れた。じゃあメニュー化しちゃおうか、ってね。うん。
これがだいたい、オープンして1年目ぐらいかな。
最初は無かったんですね!ちょっと意外でした。
定食の方で聞くと、『きくらげ卵炒め定食』って、ちょっと聞きなじみがないというか、正直あんまり「イチ押しです」っていうメニューとしては珍しいと思うんですが、どんな特徴があるんですか。
若林うちのきくらげがね。えー、地元真岡の『コットンキクラゲ』っていうのを使ってまして。
国産のキクラゲってちょっと珍しいですよね。
若林そうですね。最近スーパーとかでも地元産直のところに少しずつ出るようになってきたけど。『生(なま)きくらげ』って。
で、今隣町の真岡で『コットンキクラゲ』っていうのをブランド化して作ってる人たちがいるんですけど。実は作っている人たちがうちの親父の知り合いで。
へえ!
若林え?と、言っちゃうと、うちで栽培してるの。うちの敷地を貸してね。それを持ってきています。うちで栽培してるから、これって自家栽培って言うの?キクラゲの原木がうちにあって、作ってるからね。
まあ厳密な話はともかく、若林店主の敷地で栽培されているものを使ってるわけですから、自家製のような感じですね。しかも栽培手法はちゃんとしている。 味としてはどんな特徴があるんですか。
若林やっぱり中国産の量販きくらげに比べて、肉厚。それに臭みが少ない。あとは歯ごたえがぷりぷりしてる感じかな。うん。
新鮮でもありますよね。
若林ですね。もちろん生のキクラゲですから。古くなったらもう食感もなくなっちゃうんで。
そんなキクラゲをふんだんに使った『きくらげ卵炒め定食』。これはもう、我然食べてみたくなりました。
若林肉野菜炒めに使ってるキクラゲも、ラーメンに入ってるキクラゲも、中華丼に入ってるキクラゲも全部同じコットンキクラゲを使わせてもらってます。
「コットンきくらげ」をふんだんに使った「きくらげと卵炒め定食」。ぷりぷりの歯ごたえを直接感じられる。
「コットンきくらげ」をふんだんに使った「きくらげと卵炒め定食」。ぷりぷりの歯ごたえを直接感じられる。
『ぱんだ食堂』ってすごく可愛らしい名前です。とても印象がいいなと思っていまして、名付けのきっかけは何なのでしょう。
若林益子町にはファミリーレストランが無いでしょ。
ええ。
若林子供を連れて食べに行くところがない。うちが店を出すときに、店のコンセプトとしてはファミリー層も気軽に来れる店にしようっていうところを考えた。じゃあ、名前をどうするかなって考えてね。初めは無難に『益子飯店』とか考えた。
ええ。
若林もしくは星宮地区だから『星宮飯店』とかにしようかって話もあったんですけど。
いや、これはもっと子供が覚える名前じゃないと、他の店に紛れてしまってダメだな、と。普通になっちゃうな、って思って。じゃあ攻める名前は何が良い?って考えた。
ふむふむ。
若林それで、パンダ。パンダ=中国っていうイメージがあるから。
『パンダなんとか』にしようってなって、パンダ中華とか色々考えたんですけど、 わかりやすく食堂にしようって。しかもひらがなの『ぱんだ食堂』にしようって決めた。
なるほど、覚えやすさとわかりやすさ最優先ですね。
若林子どもに覚えてもらえれば、じいちゃんばあちゃんにも覚えてもらいやすい。『はいはい、ぱんだ行こうね』ってなるように。
可愛いのも良いですよね。ただ私、実は最初にお見かけした時、中国人の方がやってらっしゃるのかなとかって思ったんです。
若林 うん、外見がね。真っ赤っかで、ぱんだ食堂っていう変な名前だし。だいぶ攻めてたからね。
だから、多分大陸の人がやってんのかなってお客さんからもよく言われてましたよ。「住まいはどこですか」って聞かれたら、「あ、すいません、真岡です。こっからすぐそこの清水です。生まれも育ちも清水です」って。
あはは。日本人ですよ、と。
若林で、そこからやっと口コミとかでどんどん広まっていって。
初めての人は恐る恐る来たんだろうけどね。うんうん、絶対そうだと思う。俺だって、最初何にも情報ない状態だったらたぶん入らないもんね。なんだか怪しそうじゃん(笑)?
今は2024年になりましたが、始められて何年ぐらいになられたんですか。
若林来月の3月16日で10周年です。
10周年ですか!おめでとうございます。
若林10周年なんで、記念のサービスメニューみたいなのを考えたいなと思ってます。今のところまだ検討中なんですけどね。
では3月のその頃になって店に来てみたら、きっと良いことありますね?
若林何かしらやってます。
いいですね!
今回、商工会で『需要動向調査』なんていうちょっとお硬い名前の、『お客様がこんなことを求めてますよ』って事を知れるアンケートを協力させていただきました。報告書をご覧いただいてますけが、何か発見はありますか。
若林えー、いつもの定番メニューの他にも新メニューを求めてるのかなと。うん。
季節ごとの、例えば月替わりのおすすめ定食とか、あってもいいのかなと思ったね。
季節のもの、旬のものを使って何か作ったりとか、冬だったらもう白菜使ったり。夏だったらナスとかのいわゆる夏野菜を使ったり。春だったらもちろん春キャベツとか。そういうもので何かメニューを出せたらいいなと。
すごく楽しみですね。今日は楽しい話をいっぱい聞かせてもらいました。なんだかお腹の空くインタビューでした…。 今日はどうもありがとうございました。