益子で生きる、益子を活かす
陶芸の街として知られる栃木県芳賀郡益子町。その穏やかな街並みの一角に、38年間、地域の方々の「美」を支え続けてきた場所があります。どこか懐かしく、温かい響きを持つ「おしゃれ美容室」。その建物を訪れると、長年愛されてきた趣のある美容室と白を基調としたモダンで洗練された空間-アイラッシュサロン「Hygge(ヒュッゲ)」が広がります。
「こんにちは! 今日はありがとうございます」
にこやかな笑顔で迎えてくれたのは、店主の娘にあたる陽(みなみ)さん。その隣では、母であり「おしゃれ美容室」を夫と共に守り続けている眞由美さんが、少し照れくさそうに、でも誇らしげに娘の姿を見つめています。
今回の取材に立ち会うのは、益子町商工会の指導員である羽石。
補助金申請をきっかけに、最寄りの相談者として見守ってきました。
羽石: 陽さん、今日はお忙しい中ありがとうございます。私も通わせていただいてますが、いつも、つい『ナチュラルで』なんて、大雑把なお願いばかりしちゃってすみません(笑)。でも、陽さんにお願いすると、終わった後に鏡を見たとき『そうそう、こんな感じ~』って驚くんですよ。
陽: ふふ、そう言っていただけると本当に嬉しいです。
羽石: 私のように「こうしたい」という明確なイメージがないまま来店されるお客様もいらっしゃいますよね。そういう方には、どんな風にお声をかけているのですか?
陽: (真剣な眼差しで)まずは「今日、なぜやりたいと思ったのか」という動機を丁寧にお聞きします。例えば「お化粧の時間を短くしたい」とか「接客業で見られることが多いから清潔感を出したい」とか「自分に合った眉毛がわからない」といった日々の生活の中にあるお悩みを見つけることから始めるんです。
羽石: なるほど。いきなりデザインの話をするのではなく、まずはその方の「日常」を知ることから始めるんですね。
陽: はい。また、おまかせといってもお客様の好みがあると思うんです。そういう時は2択で質問を重ねていきます。『太いのがいいか、細いのがいいか』とか。そうやって選択肢を絞っていくと、お客様自身も『あ、私こっちの方が好きかも』って、自分の好みに気づけるんです。初めての方には、特に時間をかけてお話しすることを大切にしています。
羽石: 二択なら答えやすいですね!陽さんは技術だけじゃなく、骨格や表情の動きまで計算して提案されていると聞きました。
陽: そうですね。お顔立ちのバランスはもちろんですが、お話ししている時の表情の癖……例えば、眉間に力が入りやすいとか、笑った時に眉がどう動くかといったことまで観察します。眉毛一つで、その方の表情がパッと豊かになったり、自信に満ちた印象に変わったりしますから。初めての方は特に緊張されているので、会話の中で少しずつ心を解きほぐしながら、鏡を見るのが楽しみになる魔法をかけるような気持ちで向き合っています。
羽石: 自分に似合う目元を一緒に考えてくださるから「ここならわかってもらえる」という安心感があるんでしょうね。
羽石: その丁寧な姿勢と確かな技術、どんな場所で磨かれてきたんですか?
陽: 都内のサロンは、とにかくスピードと技術力、そして売上が求められる厳しい環境でした。1日に何人のお客様を施術できるかという世界で。当時は必死でしたが、そこで圧倒的な数をこなしたことで、技術の土台を徹底的にたたき込まれました。どんなまつ毛や眉毛の状態にも対応できる技術の『引き出し』が増えました。あの時の経験があるからこそ、技術に関しては揺るぎない自信がつきました。
羽石: まさに修行の場だったんですね。その後栃木県に戻ってきたんですよね。
陽: はい。今度はもっとお客様一人一人の人生に寄り添えるような、地域密着型の働き方がしたいと思うようになったんです。それで小山市のサロンに転職しました。そこは都内とは対照的に、すごくアットホームな雰囲気で。ここではスピード感というよりは、お客様と向き合う時間や居心地の良さの重要性を学びました。また、そこで店長を任せていただきました。オーナーと一緒に、スタッフがどうすれば楽しく働けるか、お客様にどうすればもっと喜んでもらえるか……。接客の教育マニュアルを自分たちで一から作り、サロン運営の裏側まで深く関わらせてもらいました。施術者としてだけじゃなく、経営者としての視点を持てたのは、あの小山での2年間があったからですね。
羽石: いまさらですが…実は、陽さんのキャリアのスタートって美容師だったんですよね。そこからアイラッシュの道を選んだきっかけは何だったんですか?
陽: よく覚えていてくださいましたね(笑)。新卒で入った美容室で3年間、アシスタントとして働いていました。3年経った頃に『自分の免許を活かして、もっと新しいことに挑戦したい』という気持ちが芽生えて。当時、アイラッシュという仕事がどんどん注目され始めていた時期で、直感的に『これだ!』と思ったんです。
眞由美: 横からすみません(笑)。この子がアイラッシュをやりたいって言ったとき、私は正直驚いたんですよ。だって、ものすごく細かい作業じゃないですか。私の年齢では、自分がアイラッシュを習おうとしたときは目が追いつかなくて早々に諦めたんですけど(笑)。でも陽は、その大変な作業を本当に楽しそうに、しかも手際よくこなしていて。『あぁ、この子は本当に手先が器用で、この仕事が天職なんだな』って感心しちゃいました。
羽石: まさに天職ですね!都内で習得した確かな技術と小山で学んだ接客の心、経営者としてのマネジメント力、それらすべてが今に繋がっているのでしょうね。
羽石: そして、満を持してここ益子町で開業されたわけですね。
陽: はい。結婚して、生活が大きく変わる中で、自分の働き方を見つめ直すタイミングだったんです。そんな時に母から『お店を改装する予定があるんだけど、一緒にやらない?』と声をかけてもらって。『今しかない』って思いました。
眞由美: 主人が病気になってから、一人で美容室を続けてきましたけど、やっぱり寂しさもあって。そんな時に、娘が戻ってきてくれることになって、本当に嬉しかったんです。
羽石: まさに世代を超えたバトンリレーですね。
羽石: 最近は男性のお客様も増えているそうですね。
陽: はい。男性も眉毛を整えるだけで、清潔感がぐっと上がります。印象が大きく変わるんです。営業職の方や接客業の方は特に効果を実感されています。
羽石: 時代の変化を感じますね。
眞由美: 主人もきっと、この光景を見て喜んでいると思います。こうして娘と一緒に同じ場所でお客様を迎えられること、本当に幸せです。
陽: 両親が守ってきたこの場所を、これからは私も一緒に守っていきたいと思っています。
羽石: これからも地域の方々に愛される場所であり続けてください。本日はありがとうございました。
陽: こちらこそ、ありがとうございました。
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※現在おしゃれ美容室は顧客様のみの営業、ご予約は受け付けておりません。
