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いろり茶屋 代表 榎田大介

2024.10.15昔懐かしい囲炉裏のある店内で鍋料理が楽しめる益子の穴場的スポット

いろり茶屋

本日は「道祖土バイパス」沿いの高台にある里山にたたずむ昔懐かしい囲炉裏のある店内で鍋料理が楽しめる益子の穴場的スポット「いろり茶屋」さんにお邪魔しています。

店主の榎田大介さんは、2代目で大阪あべの辻料理技術研究所を卒業後、東京の料理店に約8年間勤務しノウハウを習得した後、益子に戻り家業に従事し2011年に代表になられています。
店内は、囲炉裏席3カ所各6席、小上がり席2カ所各6席と大広間の宴会場にテーブル席最大60席があり、メニューは、鍋料理をはじめ、うどん、餅などのお料理の他に、ランチメニューとして田吾作膳や田吾作うどん、鶏の唐揚げ定食のほか、刺身、天ぷら、卵焼きなどの一品料理を提供していて、忘年会や新年会、歓送迎会や法事等の宴会にも対応できるお店です。

それでは、早速、榎田大介さんにお話をお伺いしたいと思います。 榎田さん、よろしくお願いいたします。

榎田: よろしくお願いします。

いろり茶屋

豚とは違った「イノシシの脂身」を感じてもらえるのが1番美味しい

今年もいよいよお鍋の恋しい季節となりました。
「いろり茶屋」さんといえば鍋料理が有名ですが、一番のおすすめを教えてください。

榎田: 当店では、いのしし鍋、鴨鍋、ちゃんこ鍋がありますが、一番のおすすめは「いのしし鍋」になります。

いろり茶屋

やっぱり「いのしし鍋」ですね。以前、女子二人でお邪魔して頂いたことがあります。
実は、そのとき、初めて「いのしし鍋を」食べたのですが、勝手に想像していたくせのようなものが全く無く、お肉が柔らかくて、また、 お出汁が効いててとっても美味しかったのを覚えています。

榎田: ありがとうございます。

ズバリ「いのしし鍋」は、どんなところを楽しんでもらいたいですか?

榎田: 「いのしし鍋」の楽しみ方としては、やっぱり、脂が乗ってるお肉を味わってもらいたいですね。
業者さんから仕入てるのですが、豚とは違った「イノシシの脂身」を感じてもらえるのが1番美味しいのかなと思っています。

お肉の脂身が美味しいんですね。普段中々味わえない美味しさなんですね。
スープにもこだわっている点があるのでしょうか。

榎田: そうですね。スープは鰹節や昆布と煮干などをの旨味を引き出した合わせ出汁で、味噌味ですね。
臭みを消してるのは、スープにニンニクとか生姜とかを使ってるからですね。

とにかく、スープに香りがあってとても美味しかったんですが、吸い口に何か入ってますか。

榎田: 香りは、胡麻を擂ったものが入ってるので、その香りが多分して、 いい香りになってるんだと思います。

なあるほど!美味しさの秘密がわかりました。
「いのしし鍋」のおいしさの決め手でもありますね。スープがとっても美味しいって聞くと魅力的ですね。
こちらのスープ。地元の方にも人気があるとお聞きしましたが。

榎田: そうですね、多分人気はあると思います。
地元で猪を捕って自分で食べる人がいるんですけど、そういう人には特に人気ですね。
いわゆる猟友会の方達が捕獲した猪を自分達で食べる時に、「いろり茶屋のスープは美味しいよね」ってことで、 スープだけちょっと譲ってくれないかと頼まれることがありますね。

そんなときは、快く提供されるんですね。

榎田: はい。もちろん!です。
地元でいつもお世話になっている方たちですから、快く提供しています。

そうなんですね。以前、女子2人お邪魔したときにも・・・。一人前ずつ頼もうとしたら、「2人で 一人前で十分だよ」って勧めてくださって。それで2人で一人前を頼みまして。他にうどんとお餅を頼みました。本当にちょうど良くてお腹一杯美味しく頂きました。そのときも「わぁー親切なお店だなぁ」と感激したのを覚えてます。

自分で食べて美味しいと思ったものを

お鍋を頂いたとき、特にうどんが美味しかったんですけど、何か特別なものなのですか?

榎田: そうですね、うどんは一応・・・。でも、お鍋用のうどんは手打ちではないんですよ。
「讃岐の冷凍」ではあるんですけど、自分で食べて美味しいと思ったものを使わせていただいてます。

そうなんですね。とってもコシがあってつるつるっと美味しかったです。自らが美味しいと思ったものを提供しているっていいですよね。食べる側としてはとっても嬉しいです。

榎田: 手打ちの方は、「ざるうどん」とか「定食のメニュー」は手打ちで出しています。

いろり茶屋
いろり茶屋

そうなんですね。
手打ちうどんは、どこかで修行されたんでしょうか?

榎田: 香川県の方でうどんの勉強をさせていただきました。
そのときに出汁の取り方とかも色々と勉強させていただきました。

なるほど。本場香川で勉強されてきたんですね。納得です。
下野新聞のアスポに広告を掲載されたときにもうどんのことが載ってましたよね。

榎田: はい。お陰さまで今年の夏はうどんメニューがよく出ました。

いろり茶屋
いろり茶屋
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鍋料理を食べて頂くのにちょうど良い高さになるように

いろり茶屋

ところで、宴会場のリニューアルをされたんですよね。
土日祝祭日や陶器市に沢山のお客様にお越し頂いているそうですね。

榎田: はい。今回、宴会場をリニューアルしまして、その宣伝もさせていただいたので、それを見て、食べに来てくれるお客様が増えましたね。
商工会の支援を頂きながら、国の「小規模事業者持続化補助金」を活用して大広間にテーブルと椅子を導入して、下野新聞のアスポに掲載して宣伝して頂きました。

はい!補助金申請の支援をさせて頂きました。
今回の補助事業の取り組みのきっかけを教えてください。

榎田: 宴会場のテーブル席導入は以前からずっと考えていて。それは、近年において、全年齢向けの飲食店において大きなニーズの変化があると。一つは、高齢化の進展により、畳に座布団というスタイルでは身体的に困難なお客様が増えつつあること。もう一つは、若い人もほとんど椅子生活という日常の中で、畳に座る食事スタイルは敬遠されるようになったこと。実際に宴会のお問合せの際に宴会場がテーブル席かどうかを確認されるお客様がいらして座卓席であることからお断りされることが度々ありまして。これではお客様のニーズに応えられてないなと痛切に感じていたので、今回商工会へ相談させていただきました。

改めて、今回のリニューアルでこだわった点を教えてください。

榎田: テーブルの導入にあたり、一番気をつけたのはテーブルの高さですね。鍋料理を食べて頂くのにちょうど良い高さになるように、大工さんと何度も打合せをして、鍋料理に合う高さに造って頂きました。それから、開業当初より使ってきた座卓が一枚板で出来ていて思い入れもあったので、それを活用して脚を付けて趣のあるテーブルが出来上がりました。

お客様の反応はいかがですか?

榎田: 高齢者の方に限らず、若いお客様にも皆さんに喜ばれています。お陰さまで宴会のお問合せが増えました。法事の注文もテーブル席導入によりスムーズにご注文いただいております。また、敬老会の団体様からも早速お問い合わせをいただき喜んでいただいております。「椅子になったから、ゆっくりと食事が出来ました。」とのお声もいただいております。本当にやって良かったです。お世話になりました。

何よりの効果ですね。今後も販売促進を継続して頑張ってくださいね。

榎田: 今回、この補助金申請を取り組む中で、当店の創業当初のことや企業理念、顧客ニーズや市場の動向からの課題やこれからの目標と計画など改めて考えることが出来てとても良かったと思ってます。広告や宣伝の重要性も学ばせていただきました。

囲炉裏小屋というか。昔の東屋に近いような感じだった

いろり茶屋
いろり茶屋
いろり茶屋
いろり茶屋

このお店の佇まいがとっても素敵ですよね。ザ・古民家って感じで。
坂を上ってきて車を降りると、このお店を見上げる感じなんですよね。入口階段を上って店内に入ると、囲炉裏端があって、調度品やしつらえがとても素敵です。
このお店は、先代のお父様が建てられたとのことですが、創業は何年ぐらいですか?

榎田: 創業は1972年で、今年で52周年です。
最初は小屋を建てて、バーベキュー屋をやっていて、そのうちに、いのしし鍋とかの提供を 始めて、宴会場として団体のお客様を受け入れるようになったら、だんだんお客さんが来るようになったようですね。

小屋とは?どんな感じだったんでしょうか?

榎田: もう普通に囲炉裏小屋というか。昔の東屋に近いような感じだったようです。
スペースは、6~8人ぐらいが入れる小屋がいくつか建っていて、そこに 料理を運んでたみたいですね。
僕はあんまり記憶にはないんですけど。

それが「いろり茶屋」のルーツですね。歴史を感じますね。

いろり茶屋

益子焼きのおかげで、同じ料理でも感じ方が違うのかなと思うんですよ

いろり茶屋

店内の調度品も色々と素敵ですよね。

榎田: 色々な骨董品はひとつひとつ集めたもので、こけしは、父が東北方面に旅行に行った時に趣味で買って集めたものみたいです。

焼き物もね。大皿とか大作が沢山並んでますよね。

いろり茶屋

榎田: はい。焼き物は父親が元々焼き物屋の息子なんで、焼き物屋もやっていて、父親の作品も並んでいます。お店で実際に使っているものもあります。

以前いただいた「カレーうどん」の器も益子焼でした。
どっしりと重厚感があって、冷めることなく最後まで熱々でいただくことが出来るんですよね。
提供するお料理の器はどれも益子焼なんですか?

榎田: はい。そうですね。基本益子焼きで提供してます。
やっぱり陶芸の町なので、益子に遊びに来た人に益子焼の陶芸の雰囲気を楽しんでもらいたいんで、益子焼を使いたいなと思ってますね。

このお店の雰囲気の中で、益子焼きの器で、の~んびりとくつろぎながらお料理をいただく・・・。 益子の深い魅力が感じられていいですよね。

榎田: 益子焼きのおかげで、同じ料理でも感じ方が違うのかなと思うんですよ。
都会から来た人にもこの雰囲気を特に感じていただけたらなと。
「陶器の町益子」に来たお客さんに喜んでもらえるよう、 色々やっていけたらいいなと思います。

その雰囲気を目指してSNSなどで調べて、目指して来てくださる気持ちがよくわかりますね。
今後も販売促進を行いながらお客さんに喜んでもらえるよう頑張ってください。

榎田: はい。頑張って参ります。

本当にやる気がある人は手伝ってくれる人もいる

益子は町外からの観光客も多いです。移住者も多く、憧れの町のように話される方もいらっしゃいます。
益子で新しく商売をしたいと来た方への応援メッセージはありますか?

榎田: これから益子でお店をやりたいっていう方もたくさんいらっしゃって、とても住みやすい環境でもあるし、陶器市など歴史あるイベントもありますし、観光客も大勢訪れますので商売を始めたいという人は、是非、商工会等に色々と相談していただければ。 本当に親身になって考えてもらえるので、本当にやる気がある人は手伝ってくれる人もいるので、是非、頑張ってほしいと思います。

新しい仲間がどんどん増えて行って益子の活気に繋がって行くといいですよね。
本日は、「いろり茶屋」2代目の榎田大介さんにお話を伺いました。

榎田: ありがとうございました。

ありがとうございました。

いろり茶屋
  • 聴き手:益子町商工会 経営指導員 加藤裕子